

写真は、工場の機械の使い方指導の様子を写したものです。
比較的慌ただしくない第1・第3土曜日の朝の10分間をその時間にあてていました。
きっかけは若い整備士が機械の使い方を誤り、ケガをしたことでした。
長く勤めている整備士が当たり前に使っている機械でも、経験の浅い整備士だと使い方がよく分からないこともあります。かつては「技術職は見て覚えろ」なんて言ったかもしれませんが、令和の時代に若干のそぐわなさを感じます。ベテランを講師に、少しの工夫で世代間の情報格差がうめられるならやってみようと社長が始めました。
3年続けて、ある一定の効果はあったと思います。
ところが、ここにきて少しだれてきた感が否めなくなってきました。指導する機械もいくつもあるわけではありませんし…
そんな中、事務方のN君が私に言ったのが、タイトルの言葉です。
新しいビジネス用語だそうで、恥ずかしながら私は知りませんでした。
ビジネス用語の”ほうれんそう”は皆さんよく耳にすると思います。仕事をするうえで大切な”報告・連絡・相談”の頭の文字を合わせた言葉です。
では、”おひたし・こまつな・ちんげんさい”は?
おひたし……怒らない・否定しない・助ける・指示する(上司の心がけ)
こまつな……困ったら・使える人に・投げる(部下に伝える心得)
ちんげんさい……沈黙する・限界まで言わない・最後まで我慢(退職の危険信号)
N君曰く、「やっていたことがだれてきた時は、そのままにしてはいけない。何らかのテコ入れをしないと。こういうことをほおっておくと”ちんげんさい”の人が出てきてしまいかねない。せっかくの朝の時間、使い方指導でなくてもちょっとした意見交換の場にしたい。もちろん賛成・反対の決をとるので。」
N君の申し出から決をとり、結果は僅差で意見交換会はやらず、その時間を仕事にあてたいという意見が多く出ました。使い方指導も、しばらくは必要に応じて行うスタイルに落ち着きました。
自宅でもいろいろ考えてくれたN君はがっかりしたかもしれませんが、彼が一石を投じてくれたおかげで、使い方指導に関しての皆の意見がきけました。
N君の撒いた種が違うかたちでも小さな芽になったのだと思います。
皆がだれてきている時こそ、行動することが大切だとN君から教わりました。
”ちんげんさい”の人を出さないことは簡単ではないでしょうが、今の私は”おひたし・こまつな”の実践を目標に働いていきたいと思います。
ちんげんさいは料理で美味しくいただくだけにしたいですから。